苦難の8年。国策有機EL事業「JOLED」はなぜ破綻したのか

サムスンは緑を広く取った画素構造で「若干解像感は落ちるが輝度は高くなる」パネルを先行させ、LGは「白一色のパネルにカラーフィルターをかける」構造でテレビ向けを作った。日本メーカーよりも妥協したのだ。

だが、その結果として採用が広がり、ビジネスが回った結果技術開発のサイクルも周り、どんどん品質が上がっていくことになった。日本はそこに乗り遅れた。

とにかく品質にこだわりたがる職人気質の日本人には、多少品質が低くてもとりあえず市場に投入して、それから品質を引き上げていく21世紀の製造業は向いてない